公用語はイタリア語。一部の特別自治州、ヴァッレ・ダオスタ州でフランス語、トレンティーノ=アルト・アディジェ州ではドイツ語も使用する。フリウリ地方ではフリウリ語、南ティロルではラディン語という、イタリア語よりラテン語に近いレト・ロマンス語系の言葉を母語とする住民もいる。また、イタリア南部の古代ギリシア植民地を起源とする地方ではギリシャ語が使用されている。さらに、オスマントルコ時代のアルバニアからイタリア南部に定着した人々の子孫はアルバニア語の方言を母語とする。サルデーニャ島では、イタリア語系のサルデーニャ語(イタリア語の一方言とする説もある)が話される。アルゲーロではスペイン支配の影響からカタルーニャ語の方言が話される。
イタリアは歴史的に別の国に分れていた期間が長いため方言の差が激しいとされているが、そもそも言語成立の過程にも複雑な事情が絡んでいる。古代ローマで話されていた言葉(ラテン語)の俗語形である「俗ラテン語」が、ローマ消滅以降にかつての統治領(イタリア・フランス・スペインなど)ごとに統一性を失って方言化した際、イタリア各地のラテン語方言がイタリア地方特有の変化を遂げたと判断した人々が、近世になってこれらを一つの言語体系(イタリア語)と定めた事に起因する。
言語と言語の違いを研究する作業は古くから言語学の分野で行われていたが、どの程度の類似性をもって「同じ系統の言語」(方言)とするのか、或いは「異なる系統の言語」とするのかの客観的判断は殆ど不可能で、結局は個々人の価値観に頼るしかないのが現状であり、民族問題や領土主張との兼ね合いもあって政治的判断が下されるケースが多い(「言語とは軍に守られし方言である」という皮肉も存在する)。よってイタリア語も方言の集合体とするか、無数の独立言語とするかは政治的に決定され、当時の民族主義政策に基づいて方言であるとされた。近年はEU統合の流れから欧州各国で方言を地域言語と認める動きが芽生え始めており、イタリアでも方言を地域言語として承認するべきかどうか盛んに意見が重ねられている。
無論、こうした現象は同じ経緯を持つ他のロマンス諸語でも発生している他、ゲルマン語派のドイツ語でも方言の尊重と権利拡大が進められており、イタリアだけの動きでは無い事に留意する必要がある。




